積分の評価-3

まず、問題点の(二)から、
「h」は楕円における”短半径”を示す。
同様に「a」は、”長半径”を示す。
同様に、中心Oから焦点(定点)までを「c」とする。

ピタゴラスの定理を用いて、「h」を「a,c」で表すと、
 h^2=a^2-c^2

ここで、a : 1 = c : e より、c = ea
よって、 h^2=a^2-(ea)^2 = a^2(1-e^2)

したがって、
 ha^{\frac{1}{2}} = \sqrt{a(1-e^2)}\sqrt{a}
 = a\sqrt{1-e^2}



次に問題点(一)については、赤チャート数Ⅲ、置換積分法pp177 参照。

「置換積分」を行なえばいいわけだが、できるだけ積分の計算を単純化させることが重要。
被積分関数 f(r) において、変数rを r=g(t) と置き換えると、


 \Bigint f(r)dr = \Bigint f(g(t))g'(t)dt


 = \Bigint f(g(t)) \frac{dg(t)}{dt} dt


つまり、左辺における原変数rを新変数tで表し、微分drをg'(t)dt で置き換える。


r=g(t) のとき、 \frac{dr}{dt}=g'(t) であるから、 dr=g'(t)dt


 r= \frac{1}{t} とおくと、 dr=\frac{-1}{t^2}dt


-\phi=a\sqrt{1-e^2}\Bigint \frac{1}{\frac{1}{t}\sqrt{-(\frac{1}{t})^2+\frac{2a}{t}-a^2(1-e^2)}}\frac{-1}{t^2} dt


根号内を平方完成し、公式\sqrt{a^2-x^2}の形に整理すると、


 =\Bigint \frac{-dt}{\sqrt{\frac{e^2}{a^2(1-e^2)^2}-\(\frac{1-a(1-e^2)t}{a(1-e^2)}\)^2}


 =-\arccos\frac{1-a(1-e^2)t}{e} - C


ここで変数tをrにもどすと、ただし、Cは積分定数である。


-\phi=-\arccos\frac{r-a(1-e^2)}{re} - C


\phi=\(\frac{\pi}{2}+\arccos\frac{r-a(1-e^2)}{re}\) +C


\phi=\arcsin\frac{r-a(1-e^2)}{re} +\frac{\pi}{2}



Q.E.D





【総評】
積分の評価であるが、俗に言う行間を埋める作業はしんどかったが、それなりに価値もあった。
答えがわかっていたので、ないときよりは効率よく学習できたかもしれない。
かなりの試行錯誤が省略できたことに対しては、評価できるし、すぐに問題点を把握することが出来た。
いずれは答えが手元になくとも、効率よく解答できるように精進しよう!