積分の評価-2

 \Bigint \frac{dx}{\sqrt{a^2-x^2}} において


 x=a\cos\theta とおく。


ただし、 a>0,  -\frac{\pi}{2}\leq \theta \leq \frac{\pi}{2}


 dx=-a\sin\theta{d\theta}


 \Bigint \frac{dx}{\sqrt{a^2-x^2}} = \Bigint \frac{-a\sin\theta{d\theta}}{\sqrt{a^2-a^2\cos^2\theta}}


 = \Bigint \frac{-a\sin\theta{d\theta}}{\sqrt{a^2(1-\cos^2\theta)}}


 = \Bigint \frac{-a\sin\theta{d\theta}}{\sqrt{a^2\sin^2\theta}}


 = \Bigint \frac{-a\sin\theta{d\theta}}{a\sin\theta}


 = -\Bigint d\theta


 = -(\theta + C)    ただし、Cは積分定数


 = -(\arccos{\frac{x}{a}} + C)


 = \frac{\pi}{2} + \arcsin{\frac{x}{a}}


◆ポイント◆

①赤チャート数Ⅲ、主題123および主題132を参照。
試練196の問題の中には、むずかしいのがありますね。

②まず最初に考えなければ、ならないことは根号をはずすこと。

③根号内が2次式のみの場合は、上記の方法で行なう。
 x=a\cos\theta あるいは  x=a\sin\theta のいずれかに置き換える。どちらでも可。




今回の場合、根号内に1次式があるから、これをなんとかしなければならない。
方法としては、根号の中を平方完成させる。


【攻略の方法】

変数の一次変換によって、2次式から1次の項を消去して、aの正負にしたがって平方根

 \sqrt{a^2-x^2}, \sqrt{x^2+a^2}, \sqrt{x^2-a^2}

のいずれかの形にすることができたら、しめたもの。 → あとは事務的処理となる。




★第(1)式の場合★
いままでの方法と比較すると、今の段階で2つほど問題がある。

(一) 平方根の外に「r」があること。

(二) 答えの数式には、「h」がないこと。

この2点に関しては調査中。



□メモ書き□
「e」は楕円の離心率(eccentricity)、 0< e <1
例:地球の軌道においては、e = 0.02

 


初期条件を考慮したときの計算過程

 \phi - \frac{\pi}{2} = \arcsin\frac{r-a(1-e^2)}{re}


 \sin{(\phi- \frac{\pi}{2})} = \frac{r-a(1-e^2)}{re}


 -\cos\phi = \frac{r-a(1-e^2)}{re}


 -re\cos\phi = r-a(1-e^2)


 \frac{a(1-e^2)}{r} = 1+ e\cos\phi     ■