【入試過去問添削】

乙会-入試過去問添削 2007年度の問題-試験時間:150分/配点:120点/問題数:6題

解答および解説をみながらの作成。


[乙会の傾向分析より抜粋]

第1問 整式、論証-----整式の係数が整数であることを示す論証問題
どのように結論にむすびつけるか、方針がたてにくい。

第2問 数列の極限-----平面上に定義された点列に対して、線分の長さの和の極限を求める問題
極限計算の処理力次第?

第3問 図形と方程式---ある条件をみたす平面上の点の存在範囲を図示する問題
2次方程式の解の配置問題なんだけれど、侮れない。

第4問 行列-----------スペクトル分解を題材とした行列の問題
有名な性質らしい。

第5問 確率-----------ルールに従ってブロックを積み上げるゲームを題材とした確率の問題
m=nの場合は別扱い。

第6問 積分法、評価---定積分に関する不等式の証明と、それを用いてlog2 の値の範囲を求める評価の問題
設問(1)の式の適用の仕方の工夫。



第1問および第6問は「やや難」で他は「標準」

数年前までの東大理系数学では、微積分の問題で処理力を試し、整数、確率(場合の数)、図形の問題で考える力を試すという傾向があった。しかし、今年度は整数や図形の比重が少なくなり、ここしばらく出題されていなかった整式や行列の問題が出題されるなど分野の変化が見受けられた。 


『どの問題にも受験生が苦手としている内容が盛り込まれており、決して易しいとはいえない』


典型的な問題の解法を覚えろということでも、典型問題をマスターすれば十分ということでもない。
きちんとその本質を理解していなくては「+α」の工夫が必要な問題に対応できないし、型にはまった問題ばかり演習していても数学力は頭打ちになってしまう。
合格点を確保するためには、重要かつ典型的な考え方を大切にした上で、条件を読み替えたり、いろいろな考え方を組み合わせる力を養うことが要求されているのである。

 そのための対策として何より大切なのは、質の高い問題を自力で考えて解く練習をすること。
実際に自分の手を動かしながら試行錯誤することによってこそ、問題解決力が養われる。
さらに1つの問題を多角的に見る練習として、別解を研究するようにするとより効果的である。